インビ2
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それらは全て、空中で赤いインクをばらまくだけだった。一瞬早く、一枝は『R2』の結界範囲内に辿り着いていたのだ。  そして、勇樹が床に着地すると、残る二つの『R2』が左右に展開されているのを彼は視認した。  ジャケットを通して、重い感覚が全身を支配する。 〔bS、八神勇樹、戦闘不能〕 「……!」  声を聞いた瞬間、勇樹が悔しげに床を殴り付けた。 「えーと、これで今日の授業は終わります」  タオルでインクを拭いた一枝は、四人には白々しいとしか思えない笑みを作っていた。 「あの……勇樹の弾丸、一枝さんに当ったんじゃないですか?」  右手に持つ一枝のタオルを指差し、不服そうに朱実が指摘する。 「だって、ペイント弾って、物に当らないとインクは出ないんでしょう? なら」  一枝は、自分でもわからないその矛盾をどう説明すべきか思考し、 「……当ってねえよ」  ぶっきらぼうに、勇樹がそう言った。 「え?」 「当ってねえって言ったら、当ってねえんだよ!」  苛立つように舌を打つ。勇樹がそう言うのならと、朱実もそれ以上の追求を止めた。 「……栗山さんは、大丈夫でしょうか?」 「……」  香の問いに、一枝は溜息をつき、無言で肩を落とす。  この場に、誠二はいない。  あの後、誠二は一人退室していった。四人がかりでやられた。しかも、誠二自身は真っ先に、秒殺であしらわれてしまったのだ。  プライドはズタズタだろう。