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勇樹、朱実、香は自身の未熟さに募り、思惑通り事を進めたはずの一枝でさえ、その顔には不安が透けて見えていた。
勇樹は射撃室でひたすら撃っていた。『ハウル・オブ・ヒート』でひたすら的に向かって撃っていた。ストレスを発散させるかのように。ドアがガチャ、と音をたてたのに気付くと、勇樹は引き金を絞るのを止め、そちらを向く。
「……何か用ですか?」
「続けて良いよ」
「気が散ります」
誠二張りに無愛想なのは、今日の戦闘がショックだったからだろうか。いらただしげに『ハウル・オブ・ヒート』を置く。
勇樹はあの時、一枝の頭上を取った時、勝利を確信した。
全員が、初めて一つになれた戦闘、と言っても過言ではない。
それでも、負けたのだ。
「あれはどうやったの?」
一枝はこちらに歩み寄ってくると、その左眼で勇樹を見る。
彼女には、わからなかった。何故、自分の顔に赤いインクがかかっていたのかが。
「秘密です。また一枝さんと模擬戦やる事があるかもしれないんで」
「そんな事言わないでよ、気になっているんだから」
彼女の表情は教官としての神一枝ではなく、外に出た時の、噂好きの神一枝のものになっていた。純粋に疑問らしい。
「駄目です。黙秘します」
む、とまゆをつりあげると、
「じゃ、私の聞く事に、YESかNOで答えて。それくらいなら良いでしょう?」
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